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オンディーヌの部屋

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03.29.07:33

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  • 03/29/07:33

02.28.18:12

「骰展」

山下良夫画伯よりお知らせを頂戴し、2月24日長崎県美術館まで「骰展」へ出かけた。1番乗りだった。
いつも刺激的な作品ばかりだが、今年は特に惹きつけられた。
山下画伯の「ナガサキの夏」は原爆で犠牲になられたご親族の墓石がモチーフになっている。
おびただしく並ぶ「八月九日」の文字。墓碑銘。その理不尽な死は圧倒的に幼子が多く凍り付いた。
単なる数字の羅列でない犠牲者の肉体的な輪郭、リアリティある存在感に打ちのめされた。こう言っては失礼かもしれないが、言い尽くされた過去の犠牲としての死ではなく、今現在突きつけてくる真新しい死の痛みだった。
「ノモンハンの夏」ではこの戦いで命を落とされた叔父様をモチーフにして「八月九日」同様のインパクトを与えている。村上春樹「ねじまき鳥クロニクル」から抽出された文章、「八月九日」では田中俊廣氏の詩の一節も力を添えていた。
犠牲となられた多くの方々が生きて在れば、世界は確実にまた違う姿をしているはず。
ひとりの人間の命とは豊かで代替えの効かない色彩、その欠けて在る色のことを忘れては現在も見えないだろう。
今回の展示、いつもにも増して「命」と「命への愛おしみ」について考えさせられた。
と共に表現することの面白さ、自由さ、楽しさも。
最近は書くことを楽しめず小さく狭まりがちな私に原点を教えてくれるような展示。とても豊かなひととき。ありがたかった。
今道信子さんの「樹 白と黒」、タナカタケシさんの御作品、内藤修子さんの「どてら千々石心中」、吉田隆+田中拓也「coda#1」にも印象強く惹きつけられた。

「骰展」
2009年2月24日(火)~3月1日(日) 10:00~20:00 最終日は17:00まで
長崎県美術館県民ギャラリー
入場無料


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